首頁 女です 舊書店の謎の手稿

9.店の中の対決

舊書店の謎の手稿 舊書店 540 2025-12-08 15:19

  美咲は裕太に連絡し、「迷亭」で手帖のことを話そうと提案した。裕太は同意し、翌日の午後、三人は店の中に集まった。美咲は手帖を広げ、岩崎老人が芥川の遺稿を補完した可能性を説明した。「おじいちゃんがそんなことをしていたなんて…」裕太は驚いて言った。

  その時、店の戸がガタリと開いた。入ってきたのは、昨日美咲を追った黒っぽいジャケットの男だ。男は帽子を取ると、白い髪の老々しい顔が現れた。「岩崎が補完したのは、僕の祖父が書いたものだ」男は冷たく言った。

  男は芥川の弟子である小説家、森鴎外の孫、森健一だと名乗った。「祖父は芥川さんの『武士の夢』を完成させようとしていました。その手稿を岩崎さんが奪い取ったんです」森は手を伸ばし、手帖を取ろうとした。

  「違います!」美咲が手帖を抱きかかえて叫んだ。「この手帖の中には、芥川さんの手紙が挾まっています!」美咲は手帖の間から、黃ばんだ手紙を取り出した。それは芥川が岩崎に宛てた手紙で、「『武士の夢』は、後世の人に任せよう」と書かれていた。

  森は手紙を読むと、力を失ったように座った。「祖父は…誤解していたのか」美咲は優しく言った。「岩崎さんは、芥川さんの意思を尊重して、手帖を公表しなかったのです。今は、この作品を世に問う時だと思います」

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