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舊書店の謎の手稿 舊書店 392 2025-12-09 11:46

  翌朝、雨はやんだ。美咲は上司に「迷亭」の手稿のことを報告し、午前中の空き時間を利用して下北沢へ向かった。懐かしい商店街を進むと、路地裏の奧に「迷亭」の看闆が見えた。木製の看闆は風雨に朽ちているが、「迷亭」の二文字はまだはっきりと読める。

  店の戸は鉄製で、鍵穴には錆がついていた。近くの雑貨店のおばさんに話を聞くと、岩崎老人の死後、店の中身はそのまま保管されているらしい。「あのおじちゃん、生前から『この店に寶物がある』ってよく言ってたけどね」おばさんはこぼした。

  美咲は店の窓から中を覗いた。本棚がそのまま並んでいるが、埃にまみれて見えにくい。手稿に書かれていた「赤い表紙の手帖」が、この中のどこかにあるのかもしれない。その時、彼女の視線が本棚の一番上に止まった。薄い光が漏れているのを見た——それは窓ガラスの隙間から入る太陽光ではなかった。

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